漫画『ひきだしにテラリウム』の感想です。『ダンジョン飯』の著者、九井諒子先生の掌編集、2013年に出版されています。アニメ『ダンジョン飯』つながりで、久しぶりに読んでみました。独特のシュールな面白さを持つ作品がたくさん収められています。せっかくなので、33篇の中からいくつか感想を書きたいと思います。
※ 感想の中で内容に触れることがありますので、未読の方はご注意ください。
※ 三つに分けて投稿しています。
『代理裁判』
脳内会議が裁判形式で表現されたお話。問題解決のために頭の中で会議するのって理解できる気がします。自問自答とかシミュレーションするとか「こうしたらああなってそうなるよね、だからこうしよう」みたいなの。それを発展させたら、自分の分身キャラが会議や裁判してる感じになりそうです。
だから議論しすぎておかしな考えになるのも、自分の望む結論を出すために都合の良い理由を探しちゃうのも、なにか共感できてしまいます。
脳内裁判までしたことはありませんが、作中のような感じでするなら、ちょっと楽しくなって気分転換にはなるのかも?
『記号を食べる』
そのまま記号を調理して食べるお話。似たようなことを子供の頃想像したことがあって、なんか懐かしい気持ちになりました。こんな具体的に描かれているのがおもしろいなと、個人的にとても印象に残ったお話です。
「まる」まるというか球ですかね。置いてても転がってどこかに行ってしまいそうだし、丸ごとフライパンで炒めて火が通るのだろうか…。調理が難しそうな食材(?)ですね。バター炒めのようだし、味は肉や魚系を想像しました。パテみたいな感じかな。
「さんかく」煮物にされているし、野菜系かな。
「しかく」冷やしていて薄く切ってお醤油で食べている感じだから、刺身こんにゃくみたいな…?個人的には、しかく(というか立方体)はゴマ豆腐なイメージでした。
『遠き理想郷』
途中から加わってきた、話をどんどん作っていくあの女の子の想像力と創作能力がすごすぎます。他の学生たちも自分たちが考え出した話を素直に受けとって真面目に解決策を考え、それによって物語がますます膨らんでいってるところがおもしろいです。
学生の頃に皆ですることって、課題にしろ遊びにしろ、こういう予期せぬ飛躍でとんでもないものが生まれたりするのが楽しかったですよね。(まあ評価はされないことが多いんですけども…。)
つづく…